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健康コラム

「いびきが止まる」と言われたら?〜睡眠時無呼吸症候群の検査とCPAP治療

日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。

「家族に、寝ているときに息が止まっていると言われました」

「しっかり寝たはずなのに、朝から頭が重いです」

「会議中や運転中に、急に強い眠気がくることがあります」

こんなお悩みはありませんか?

大きないびきや日中の強い眠気の背景には、
睡眠時無呼吸症候群が隠れていることがあります。
ご本人は眠っているため気づきにくく、
ご家族の指摘で初めてわかることも少なくありません。

今回は、睡眠時無呼吸症候群の症状の特徴と体への影響、
検査やCPAP治療についてご紹介します。

「いびきが止まる」と言われたら?〜睡眠時無呼吸症候群の検査とCPAP治療 記事のポイント図解

■ 睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)は、
眠っている間に呼吸が止まったり浅くなったりすることを、くり返す病気です。
英語の頭文字をとって「SAS(サス)」とも呼ばれます。

多くは、眠っている間にのどの空気の通り道がふさがることで起こります。

重症度は、1時間あたりに呼吸が止まったり浅くなったりする回数
(AHI:無呼吸低呼吸指数)で判定します。

・5回未満:正常
・5回以上15回未満:軽症
・15回以上30回未満:中等症
・30回以上:重症

(日本呼吸器学会ほか『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』)


■ こんな特徴はありませんか?

症状は、「眠っている間」「朝」「日中」に分けて考えるとわかりやすくなります。

【眠っている間】(ご家族が気づきやすいサイン)

  • 大きないびきをかく
  • いびきが止まり、しばらく呼吸が途切れている
  • 息が詰まるような感じや、あえぐような呼吸で目が覚める
  • 夜中に何度も目が覚める

【朝起きたとき】

  • 頭が重い、頭痛がある

【日中】

  • 会議中や家事の最中など、座っているときに強い眠気がくる

なかでも、睡眠中に息が詰まる感じやあえぐような呼吸は、
この病気を疑う手がかりになりやすいとされています。
ただし、症状だけで診断することはできません。
気になる症状があれば、検査で確かめることが大切です。

(日本呼吸器学会ほか『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』)

運転中に強い眠気を感じる方、居眠りしそうになったことがある方は、事故につながるおそれがあります。早めにご相談ください。

関連記事:会議中に耐えられない眠気…睡眠不足?睡眠時無呼吸?ナルコレプシー?


■ 無呼吸が、血圧や血糖に影響する理由

呼吸が止まると、体の中の酸素が少なくなります。
体は息苦しさに反応して目を覚まそうとし、そのたびに眠りが分断されます。

これが一晩に何度もくり返されると、
体を緊張させる交感神経(こうかんしんけい)が高ぶり、
アドレナリンなどのストレスホルモンが多く出る状態になります。
本来は体を休めるはずの夜に、体が緊張し続けてしまうのです。

【血圧への影響】

睡眠時無呼吸症候群は、ほかの病気が原因で起こる高血圧
(二次性高血圧)の主な原因のひとつです。
特に、夜間や早朝に血圧が高いタイプや、
3種類以上の薬を使っても下がりにくい高血圧では、
無呼吸が隠れていないか注意が必要とされています。
下がりにくい高血圧の方の約7割に、
睡眠時無呼吸が見つかったという報告もあります。

CPAP療法によって、血圧が下がることも報告されています。

【血糖への影響】

睡眠時無呼吸症候群は、2型糖尿病の発症リスクを高める可能性が高いとされています。
交感神経の高ぶりなどによって、血糖値を下げるインスリンが
効きにくくなることが関係していると考えられていますが、
くわしい仕組みはまだ研究の途中です。

(日本呼吸器学会ほか『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』)

健診で血圧や血糖を指摘されている方は、
眠りの状態にも目を向けてみてください。

関連記事:「血圧が高め」と言われたら?高血圧の基本と2025年改訂の新しい目標【生活習慣病シリーズ第1回】
関連記事:HbA1cが高いと言われたら?2型糖尿病と合併症、薬の選び方【生活習慣病シリーズ第3回】


■ 検査はご自宅で受けられます

当院では、ご自宅での簡易検査に加え、
睡眠ポリグラフ検査(PSG)もご自宅で受けられます。
入院での検査が必要なときは、入院施設もご紹介できます。

・簡易検査:指先や鼻に小さなセンサーをつけて一晩眠り、
呼吸の状態や血液中の酸素の量を調べます
・睡眠ポリグラフ検査(PSG):呼吸や酸素の量に加えて脳波なども記録し、
眠りの深さや実際の睡眠時間まで詳しく調べます

まずは簡易検査を行い、結果に応じてPSGに進むのが一般的な流れです。
いつもの寝室で検査できるため、普段に近い眠りの状態を調べられます。


■ CPAP(シーパップ)療法とは

CPAPは、寝ている間に鼻につけたマスクから空気を送り、
のどの空気の通り道を保つ治療です。
呼吸が止まるのを防ぎ、眠りの分断を減らすことを目指します。

装置は医療機関から貸し出されるため、ご自身で購入する必要はありません。


■ CPAPが保険適用になる条件(2026年10月時点)

2026年6月の診療報酬改定で、CPAPを保険で始められる基準が見直されました。
現在の主な条件は次のとおりです。

・1時間あたりの無呼吸・低呼吸が30回以上あり、
日中の眠気や起床時の頭痛などの症状で、日常生活に支障が出ている場合
・PSGで、1時間あたりの無呼吸・低呼吸が15回以上あり、
上記の症状に加えて、無呼吸によって眠りが分断されていることが確認された場合

改定前の基準は、それぞれ40回以上・20回以上でした。

実際に保険適用となるかは、検査結果や症状をふまえて医師が判断します。

(厚生労働省「令和8年度診療報酬改定」留意事項通知)


■ CPAPの費用の目安

CPAPを始めたあとは、原則として月1回の通院で、
装置の使用記録や体調を確認します。

健康保険3割負担の方で、診察代と装置の貸し出し代をあわせて、
月4,000円台が目安です。
1割負担の方は、月1,400円前後です。

受診内容などによって変わることがあります。


■ CPAPを続けるために

CPAPは、毎晩使い続けることで効果が期待できる治療です。
日中の眠気や血圧の改善には、1晩あたり4時間以上、
できれば毎日使うことが目安とされています(同ガイドライン)。

2026年6月からは、使用状況の確認がより重視されるようになりました。
装置の記録で1日の平均使用時間が1時間未満の月が3か月続くと、
保険診療での継続が難しくなる場合があります
(治療開始から3か月以内は除きます)。

マスクが合わない、息苦しいなど、使いにくさを感じたら
我慢せずにご相談ください。
マスクの種類や設定を調整できることがあります。


■ 当院でできること

・ご自宅での簡易検査・睡眠ポリグラフ検査(PSG)
・CPAP療法の導入と、その後の継続管理
・高血圧・糖尿病など生活習慣病の診療
・起床時の頭痛のご相談
・眠れない、眠りが浅いといった不眠のご相談

関連記事:眠れない夜が続いていませんか?〜不眠のタイプと原因、当院でできること
診療案内:呼吸器疾患


■ まとめ

睡眠時無呼吸症候群は、いびきや日中の眠気だけでなく、
血圧や血糖にも影響することがある病気です。

検査はご自宅で受けられ、条件を満たせばCPAP療法を保険で始められます。

ご自身の眠気や、ご家族のいびきが気になる方は、お気軽にご相談ください。


■ 参考文献

・日本呼吸器学会ほか(監修)『睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療ガイドライン2020』南江堂、2020年
・厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(留意事項通知 保医発0305第6号 C107-2 在宅持続陽圧呼吸療法指導管理料)


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以上、【「いびきが止まる」と言われたら?〜睡眠時無呼吸症候群の検査とCPAP治療】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

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