Web予約はこちらをクリックしてください。

福岡天神頭痛と肺のクリニック | 公式ホームページ

予約
LINE
メール
電話
健康コラム

HbA1cが高いと言われたら?2型糖尿病と合併症、薬の選び方【生活習慣病シリーズ第3回】

日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。

「健診でHbA1cが少し高いと言われましたが、症状は何もありません」

「糖尿病の一歩手前と言われました。今からでも間に合いますか?」

「薬を飲み始めたら、ずっと続けないといけないのでしょうか」

健康診断の結果で、「血糖」や「HbA1c」に印がついていたことはありませんか?

「生活習慣病シリーズ」の第3回は、2型糖尿病です。
第1回の高血圧、第2回の脂質異常症と同じく、症状がないまま進みやすい病気です。

健診の数値の見方から、予備群のうちにできること、合併症、薬の種類、睡眠時無呼吸症候群との関係まで、まとめてお伝えします。

HbA1cが高いと言われたら?2型糖尿病と合併症、薬の選び方【生活習慣病シリーズ第3回】 記事のポイント図解

2型糖尿病は、気づかないうちに進みます

糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が多い状態が続く病気です。
血糖を下げるホルモンであるインスリンが足りなかったり、効きにくくなったりして起こります。

日本の糖尿病の大部分は2型糖尿病で、体質に食べすぎや運動不足などが重なって起こります。
日本人はインスリンを出す力が弱めの方が多いとされ、太っていなくても糖尿病になることがあります。

国内で糖尿病が強く疑われる方は約1,100万人と推計されています。
その可能性を否定できない方も、約700万人いるとされています(厚生労働省 令和6年国民健康・栄養調査)。

血糖がかなり高くなるまで、ほとんど症状は出ません。
のどが渇く、トイレが近い、体重が減るといった症状が出たときは、すでに進んでいることがあります。


健診の数値の「目安」と「予備群」

糖尿病かどうかは、主に次の値で判断します(日本糖尿病学会)。

  • 空腹時血糖:126mg/dL以上
  • 随時血糖(食事の時間に関係なく測った値):200mg/dL以上
  • HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー):6.5%以上

HbA1cは、過去1〜2か月の血糖の平均を反映する値です。
血糖とHbA1cの両方が基準を超えると、1回の検査で糖尿病と診断されます。

空腹時血糖が110〜125mg/dLの方などは「境界型」と呼ばれ、いわゆる予備群にあたります。
特定健診では、HbA1c 5.6%以上や空腹時血糖100mg/dL以上から、生活習慣の見直しが勧められます。

予備群の段階で生活習慣を見直すと、血糖が正常に戻ることもあります。
日本人を対象にした研究でも、生活習慣の改善で糖尿病の発症が減ったと報告されています。
「まだ糖尿病ではない」うちが、いちばん手を打ちやすい時期です。

診療案内:検診


目指すHbA1cは「7.0%未満」が基本です

糖尿病と診断された場合、合併症を防ぐための目標は、HbA1c 7.0%未満が基本です。

  • 血糖の正常化を目指す場合:6.0%未満
  • 合併症を防ぐための目標:7.0%未満
  • 低血糖などで治療を強めにくい場合:8.0%未満

ご高齢の方は、低血糖を避けるため、体の状態に合わせて個別に目標を決めます。

糖尿病の方は、血圧やコレステロールの管理も大切です。
血圧は130/80mmHg未満(第1回)、LDLコレステロールは120mg/dL未満が目標です。
合併症がある方や喫煙している方では、LDLは100mg/dL未満を目指します(第2回)。

診療案内:血液検査


まずは、管理栄養士と食事と運動を見直します

治療の土台は、食事と運動です。
当院では、管理栄養士がふだんの食事をうかがい、続けやすい見直し方を一緒に考えます。

  • 1日3食を、なるべく決まった時間にとる
  • 甘い飲み物や間食、夜遅い食事を控える
  • 野菜・海藻・きのこなど、食物繊維の多い食品を取り入れる
  • 主食・主菜・副菜をそろえ、食べすぎを防ぐ
  • ウォーキングなどの有酸素運動を、週150分以上を目安に
  • 週2〜3回、スクワットなどの筋力トレーニングも
  • お酒は控えめにし、禁煙する

天神で働く方は、昼食が外食やコンビニになりがちです。
丼ものや麺類だけで済ませず、サラダや汁物を1品足すことから始めてみてください。


糖尿病の薬の種類と、注意したい点

食事と運動で十分に下がらない場合は、薬を使います。
体格や合併症、低血糖の起こりやすさなどをふまえて、一人ひとりに合う薬を選びます。

飲み薬

メトホルミン(商品名:メトグルコ)
肝臓で糖が作られるのを抑えます。長く使われてきた薬です。
吐き気や下痢が出ることがあります。腎臓の働きや、造影剤を使う検査の前後に注意が必要です。

DPP-4阻害薬
例:シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)
血糖が高いときにインスリンが出やすくなるよう助けます。
単独では低血糖を起こしにくい薬です。

SGLT2阻害薬
例:エンパグリフロジン(商品名:ジャディアンス)、ダパグリフロジン(商品名:フォシーガ)
余分な糖を尿と一緒に出します。心臓や腎臓を守る効果も報告されています。
脱水や、尿路・陰部の感染症に注意します。

SU薬
例:グリメピリド(商品名:アマリール)
インスリンを出させて、血糖をしっかり下げます。低血糖に特に注意が必要です。

イメグリミン(商品名:ツイミーグ)
2021年に、世界で初めて日本で承認された薬です。
細胞のエネルギーを作る働きに作用し、インスリンの出方と効き方の両方を助けます。
吐き気や下痢が出ることがあり、腎臓の働きが落ちている方では使えないことがあります。

経口GLP-1受容体作動薬
例:セマグルチド(商品名:リベルサス)
注射で使われてきたGLP-1受容体作動薬の、飲み薬です。
1日1回、起床時の空腹時に少量の水で飲み、その後30分は飲食を控えます。
吐き気などのおなかの症状が出ることがあります。

注射薬

GLP-1受容体作動薬
例:セマグルチド(商品名:オゼンピック)、デュラグルチド(商品名:トルリシティ)
血糖が高いときにインスリンを出しやすくし、食欲を抑える働きもあります。

GIP/GLP-1受容体作動薬
例:チルゼパチド(商品名:マンジャロ)
2つのホルモンの働きをあわせもつ、週1回の注射薬です。2型糖尿病の治療薬として使われます。

これらの注射薬では、吐き気・便秘・下痢などのおなかの症状が出ることがあります。
当院では、GLP-1受容体作動薬などの注射を始めるところから、継続まで行っています。

インスリン
インスリンが足りない状態では、インスリン注射が必要です。
始める場合は連携する専門の医療機関と相談しながら進め、その後の継続治療は当院で行うことができます。

薬を使うときに知っておきたいこと

薬によっては、低血糖が起こることがあります。
冷や汗、手のふるえ、動悸、強い空腹感が出たら、ブドウ糖(10g程度)などをとってください。
よくならないときや、たびたび起こるときはご相談ください。

発熱や下痢、食事がとれないときは「シックデイ」と呼ばれ、薬の調整が必要になることがあります。
特にSGLT2阻害薬やメトホルミンは、体調が悪い日は飲み方が変わることがあります。

たとえば、次のような対応がとられます。実際の対応は、使っている薬や体の状態によって異なります。

  • SGLT2阻害薬:熱・下痢・嘔吐があるときや、食事が十分にとれないときは、飲むのを休みます
  • メトホルミン:脱水が心配なため、いったん飲むのをやめて主治医に相談します
  • SU薬など:食事の量に応じて、減らしたり休んだりすることがあります
  • インスリン:食事がとれなくても、自己判断でやめないでください。量は主治医と相談します

あわせて、次のことを心がけてください。

  • 水やお茶、スープなどで、こまめに水分をとる
  • 食欲がなくても絶食せず、おかゆ・うどんなど消化のよいものをとる
  • 血糖を測れる方は、いつもより回数を増やして記録する

下痢や嘔吐で食事がまったくとれないとき、激しい腹痛があるとき、38度以上の熱が続くときは、早めに受診してください。
どの薬をどうするか、あらかじめ主治医と決めておくと安心です。

自己判断で薬をやめると、血糖が急に上がることがあります。
生活習慣の改善で薬を減らせる方もいらっしゃいますので、まずはご相談ください。


睡眠時無呼吸症候群と血糖の関係

眠っている間に呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群(すいみんじむこきゅうしょうこうぐん)は、糖尿病とも関係があります。

呼吸が止まるたびに体が酸素不足になり、インスリンが効きにくくなると考えられています。
糖尿病の方では睡眠時無呼吸症候群が多く、2型糖尿病になりやすくなる可能性も指摘されています。

第1回でお伝えしたように、睡眠時無呼吸症候群は高血圧の原因にもなります。
いびきが大きい、日中に強い眠気がある方は、一度検査を受けてみてください。

治療で使うCPAP(シーパップ:寝ている間に空気を送る装置)だけで、血糖が大きく下がるとは限りません。
それでも、眠気や血圧の改善が期待でき、生活習慣を整える助けになります。

関連記事:眠れない夜が続いていませんか?〜不眠のタイプと原因、当院でできること
診療案内:呼吸器疾患


放っておくと怖い「合併症」

血糖が高い状態が続くと、細い血管も太い血管も傷んでいきます。
覚え方として「しめじ」「えのき」がよく使われます。

  • し:神経障害(手足のしびれ、感覚が鈍くなる)
  • め:網膜症(目の奥の血管が傷み、視力に影響する)
  • じ:腎症(腎臓の働きが落ちる)
  • え:壊疽(えそ)(足の傷が治りにくく、悪化する)
  • の:脳卒中(脳梗塞など)
  • き:虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

糖尿病による腎臓病は、人工透析を始める原因として最も多い病気です(日本透析医学会、2023年末)。
網膜症も、かなり進むまで自覚症状がないことがあります。

このほか、歯周病が悪化しやすく、歯周病の治療で血糖が改善することもあるとされています。
糖尿病と言われた方は、年1回の眼科での検査と、歯科での定期的なチェックをお勧めします。

関連記事:胸部CTでわかる冠動脈石灰化とは|当院が評価を大切にする理由


「ただの血糖値」と思い込まないでほしい症状

次のような症状が急に出たときは、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。

  • 意識がもうろうとする、呼びかけに反応しにくい
  • けいれんが起きる
  • 胸が強く痛む、締めつけられる感じが続く
  • 片側の手足が動かしにくい、しびれる、ろれつが回らない

のどの渇きや尿の量が急に増えたときは、早めに受診してください。
SGLT2阻害薬を飲んでいて、吐き気・腹痛・強いだるさがあるときも同様です。


こんなことはありませんか?

  • 健診でHbA1cや血糖が高めと言われたまま、受診していない
  • のどが渇きやすく、トイレが近い
  • 食べているのに、体重が減ってきた
  • 甘い飲み物をよく飲む、夜遅い食事が多い
  • 家族に糖尿病の人がいる
  • いびきが大きい、日中に強い眠気がある

当院でできること

当院では、2型糖尿病の診断から治療、継続した管理まで行っています。

  • 当日結果がわかるHbA1c・LDLコレステロール・尿検査
  • 血液検査による、腎臓の働きや合併症の確認
  • 管理栄養士による、食事の見直しのご相談
  • 飲み薬の処方と、数値に合わせた調整
  • GLP-1受容体作動薬などの注射薬の導入と継続
  • インスリン治療の継続(始めるときは連携する医療機関と相談します)
  • 睡眠時無呼吸症候群の検査と治療
  • 血圧やコレステロールを含めた、生活習慣病のまとめての管理

診療案内:一般内科外来


まとめ

2型糖尿病は症状がないまま進み、目・腎臓・神経や、心臓・脳の病気につながることがあります。
予備群のうちに食事と運動を見直せば、血糖が正常に戻ることもあります。
健診で「高め」と言われたら、まずはHbA1cを測り、管理栄養士と一緒に見直しましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の診断や治療方針を示すものではありません。内容は掲載時点の情報にもとづいています。記事中の薬剤は代表的な例で、実際に使う薬の種類や量は、血糖の値や持病、体質などをふまえて医師が判断します。後発医薬品(ジェネリック医薬品)を使う場合もあります。注射薬は、使用できる条件が定められています。自己判断での服薬の中止や変更はお控えください。検査や薬剤の使用には医師の診察が必要で、費用は診療内容によって異なります。ご不明な点は当院(電話 092-791-3985)までお問い合わせください。


今回の記事の根拠

・日本糖尿病学会『糖尿病診療ガイドライン2024』(診断基準、血糖コントロール目標、食事療法・運動療法)
・日本糖尿病学会『糖尿病治療ガイド2024』(薬の種類と注意点、低血糖、シックデイ)
・日本糖尿病学会 コンセンサスステートメント策定に関する委員会「2型糖尿病の薬物療法のアルゴリズム(第2版)」糖尿病. 2023;66(10):715-733.(薬の選び方)
・日本糖尿病学会「SGLT2阻害薬の適正使用に関するRecommendation」(脱水・ケトアシドーシス・シックデイ)
・日本糖尿病学会「メトホルミンの適正使用に関するRecommendation」(2020年3月改訂)(シックデイ・造影剤検査)
・国立健康危機管理研究機構 糖尿病情報センター「シックデイ」(シックデイの過ごし方と受診の目安)
・厚生労働省「令和6年 国民健康・栄養調査結果の概要」(糖尿病が強く疑われる者・可能性を否定できない者の推計)
・厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」(特定健診の判定値)
・Kosaka K, Noda M, Kuzuya T. Prevention of type 2 diabetes by lifestyle intervention: a Japanese trial in IGT males. Diabetes Res Clin Pract. 2005;67:152-162.(予備群への生活習慣の改善)
・日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況(2023年12月31日現在)」(透析導入の原因)
・立川良. OSAと高血圧, 糖尿病, 脂質異常, メタボリック症候群. 呼吸器ジャーナル. 2019;67(3):440-447.(睡眠時無呼吸症候群と糖尿病)


診察のご予約はこちらから🌿

ご予約はこちら

下記よりデジスマ診察券アプリのダウンロードも大変便利です。

デジスマ診察券アプリをダウンロード

以上、【HbA1cが高いと言われたら?2型糖尿病と合併症、薬の選び方(生活習慣病シリーズ第3回)】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

コメント

この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA


関連記事

PAGE TOP

このページの文章・画像はコピー・保存できません