日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。
当院では、肺炎や肺がんが疑われる患者さんに胸部CTを撮影しています。その際、胸部CTでは肺だけでなく、胸の中にある心臓も一緒に写り込みます。
そのため当院では、CTの読影を行う際に、冠動脈石灰化(かんどうみゃくせっかいか=心臓の筋肉に血液を送る動脈に、動脈硬化による石灰の沈着が起きていないか)についてもあわせて確認し、必要な方を早期の診断・治療につなげるようにしています。
実際に、当院のCTをきっかけとして、連携先の医療機関でカテーテル治療の適応と判断された方が、これまでに5名いらっしゃいます。軽度の石灰化を認めた方は100名を超えており、大濠内科をはじめとする連携先で精査をお願いしています。
海外のガイドラインや専門学会の提言では、胸部CTで確認できる冠動脈石灰化について、その有無や程度を評価し、画像診断報告書に記載することが推奨されています。
一方、日本では、通常の胸部CTで偶然認められた冠動脈石灰化をどのように評価・報告するかについて、施設によって運用が異なるのが現状です。
福岡天神頭痛と肺のクリニックが、なぜCTの際に冠動脈石灰化の評価を大切にしているのか、以下で解説します。

肺のCTなのに、なぜ心臓のことがわかるのか
胸部CTは胸全体を輪切りにして撮影するため、肺だけでなく心臓や太い血管も一緒に写ります。冠動脈の壁にカルシウムが沈着していると、CT画像上で白く目立つため、肺を目的とした検査でも見つけることができます。
英国の関連学会が2020年にまとめた共同見解では、心電図と同期させていない通常の胸部CTであっても、冠動脈の石灰化が見えた場合は報告書に記載することが推奨されています。たまたま写った所見であっても、伝える価値のある情報だと位置づけられているということです。当院がCTのたびに確認しているのは、この考え方に基づいています。
「冠動脈石灰化スコア」とは何か
石灰化の量を数値化したものが、冠動脈石灰化スコア(CACS)です。造影剤を使わないCT画像から、石灰化した部分の広さと濃さをもとに計算する方法(アガトストン法)が広く用いられています。
スコアの目安
一般に、スコアが0であれば当面の心血管イベントが起こる割合は低いとされます。一方、100を超える、400を超えるというように数値が上がるにつれて、将来の心筋梗塞などのリスクが段階的に高まることが、2万5千人規模の長期追跡をはじめ複数の研究で報告されています。
この数値の役割は、「病気があるかどうかを診断すること」ではなく、血圧やコレステロールなど従来の項目だけでは決めきれない場合に、リスクの見積もりを上下に修正することにあります。2022年のシステマティックレビューでも、従来のリスク評価を補う指標として整理されています。
通常の胸部CTでわかることとの違い
ここは混同しやすい点です。スコアの算出は、本来は心電図に同期させた専用の撮影で行います。肺を目的とした通常の胸部CTで評価できるのは「石灰化があるか、どの程度か」という範囲で、点数そのものとは区別して考える必要があります。それでも、動脈硬化が進んでいる可能性に気づくきっかけとしては十分な情報です。
石灰化があると、何が問題なのか
すぐ詰まる、という意味ではありません
冠動脈石灰化は、血管の壁に動脈硬化の変化が起きてきたサインです。石灰化があることと、いま血管が細くなっているかどうかは必ずしも一致しません。指摘されたからといって、すぐに心筋梗塞が起こるという意味ではありません。
ただしスコア0=安心、でもありません
この検査で見えるのは石灰化したプラークだけで、石灰化していない柔らかいプラークは写りません。スコアが0であっても冠動脈の病気を完全に否定することはできない、という指摘が近年あらためてなされています。数値だけで判断せず、症状やほかのリスク因子とあわせて考えることが大切です。
石灰化が見つかったあとの流れ
1|生活習慣病の数値をそろえる
血圧、LDLコレステロール、血糖(HbA1c)、喫煙の有無、ご家族に心臓の病気の方がいるか。この5つがそろうと、その後の方針を検討しやすくなります。石灰化が見つかったことをご本人と主治医に伝える取り組みを行った研究では、その後に必要な内服治療が開始される割合が高まったと報告されています。所見をお伝えすること自体に意味がある、ということです。
2|胸の症状があれば早めに相談する
坂道や階段で胸が締めつけられる、動いたときだけ胸や喉のあたりが重い、といった症状がある場合は、石灰化の有無にかかわらず早めにお申し出ください。強い胸の痛みが続くときは、様子を見ずに救急の受診をご検討ください。
3|連携先の医療機関での精査
程度や症状に応じて、循環器を専門とする医療機関での精査が必要になることがあります。その場合は、連携先へのご紹介を行います。当院で経過をみる部分と、専門的な検査をお願いする部分を分けて進めていきます。
石灰化そのものを消す治療はある?
いったん生じた石灰化を溶かして元に戻す治療は、現時点では確立していません。目標になるのは、これ以上進めないことと、背景にある動脈硬化を管理することです。禁煙、血圧やコレステロールの管理が中心となり、状況に応じて内服による治療が検討されます。
喫煙は冠動脈の動脈硬化を進める要因であると同時に、肺がんの最大の危険因子でもあります。冠動脈石灰化の指摘は、肺と心臓の両方を見直すきっかけになります。
肺の検診をご希望の方へ(自費診療)
ここまでご説明したCTは、肺炎や肺がんが疑われる場合の保険診療として行うものです。当院では、肺ドックとしてのCT検査は提供しておりません。
その代わり当院では、症状がない状態で肺の検診をご希望の方に、自費診療で「AI解析・胸部X線(レントゲン)肺がん健診」を1,980円(税込)でご用意しています。
結果に異常が見られた場合は、当院での胸部CTによる精査を行うことが可能です(健診異常に対する検査として、保険診療の適応となります)。
自由診療についてのご説明
- AI解析・胸部X線肺がん健診:1,980円(税込)。自由診療のため、公的医療保険は適用されません。
- 検査にあたり、微量の放射線被ばくがあります。妊娠中または妊娠の可能性がある方は、事前にお申し出ください。
- 胸部X線検査では、病変の大きさや位置によって写らない場合があります。すべての肺がんを発見できる検査ではありません。
- AIによる解析は医師の読影を補助するものであり、最終的な判断は医師が行う必要があり、限界があることをご了承ください。
- 異常が疑われた場合、追加の検査が必要になることがあります。
診察のご予約はこちらから🌿
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下記のQRコードよりアプリのダウンロードも大変便利です。
以上、【胸部CTでわかる冠動脈石灰化とは|当院が評価を大切にする理由】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

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