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健康コラム

かぜのつもりが肺炎 ― 診察とレントゲンだけでは分からないことがあります

日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。

「熱は下がったのに、だるさと咳が抜けません」
「いつもの喘息の発作だと思って、吸入で様子をみていました」
「まさか肺炎とは思わず、仕事を休まずにいました」

こんな経験はありませんか?

9月に入り、呼吸器の感染症が増えています。
当院でも、肺炎と診断される方が続いています。

今回は、かぜと肺炎をどこで見分けるのか、
そして診察とレントゲンだけでは分からないことがある、というお話です。


■ いま、呼吸器の感染症が増えています

福岡県の最新の集計(令和8年第38週、9月14日〜20日)では、
かぜを含む急性呼吸器感染症が、定点となる医療機関1か所あたり63.38人。
前の週の1.18倍に増えています。

インフルエンザも、1か所あたり5.34人と報告されています。
前の週の1.21倍です。
(福岡県感染症発生動向調査週報、令和8年第38週)

9月のこの時期としては、目を引く数字です。

ただし、肺炎そのものは国の集計の対象になっていません。
ですから「肺炎が流行している」と統計で示すことはできません。
増えているのは、その手前にある呼吸器の感染症です。

当院でも、9月下旬のある日、
呼吸器の症状で初めて受診された方12名のうち、半数の6名が肺炎でした。
たまたま重なった可能性もありますが、
かぜだと思って来られた方に肺炎が混ざる時期であることは確かだと感じています。


■ かぜと肺炎は、どこで見分けるのか

次のような経過のときは、肺炎の可能性を考えます。

・熱が4日以上続いている
・いったん下がった熱が、また上がってきた
・少し動いただけで息が切れる
・息を吸うと胸が痛む
・色のついた痰が出る
・ぐったりして、食事がとれない

ただし、症状だけで確実に見分けることはできません。
最終的には、検査で確かめる必要があります。


■ 肺炎の原因は、ひとつではありません

ひとくちに肺炎といっても、原因はさまざまです。
その中のひとつに、マイコプラズマ肺炎があります。

「肺炎マイコプラズマ」という細菌による感染症です。
感染してから発症するまでが2〜3週間と長いのが特徴です。
(厚生労働省「マイコプラズマ肺炎」)

発熱、だるさ、頭痛で始まり、咳は少し遅れて出てくることもあります。
痰をあまり伴わない乾いた咳が、
熱が下がったあとも3〜4週間続くとされています。

報告される患者さんの約80%は14歳以下ですが、
大人の方の報告もみられます。
お子さんが学校でもらってきて、ご家庭に広がることもあります。

比較的軽くすむことが多い一方で、こじれて重くなることもあります。

福岡県の最新の集計では1か所あたり0.27人と低い水準で、
いま大きく流行しているわけではありません。
ただ、報告がなくなったわけでもありません。

予防のためのワクチンはなく、
手洗いや咳エチケットといった基本的な対策が中心になります。


■ 診察とレントゲンだけでは分からないことがあります

肺炎は、聴診器を当てても音が聞こえないことがあります。
肺の奥のほうや、背中側に起きている場合です。

レントゲンでも、写らないことがあります。

日本呼吸器学会のガイドラインには、こんな報告が紹介されています。
急性の下気道感染症と診断された103名を調べたところ、
19名でCTに異常が見つかりました。
そのうち8名は、レントゲンでは異常がなかったと報告されています。
(日本呼吸器学会『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025』第2章)

同じガイドラインでは、肺炎が疑われる場合や、
自然によくなる様子がない場合には、
レントゲンに加えてCTの撮影も考慮する、とされています。

すべての方にCTが必要なわけではありません。
ただ、経過が合わないときに確かめる手段がある、ということです。


■ 「いつもの喘息の発作」と思っていたら

喘息をお持ちの方は、咳や息苦しさが出たときに、
「また発作が来た」と受けとめやすくなります。

ただ、感染症が引き金になって発作が起きることもあります。
そして、発作と肺炎が重なっていることもあります。

いつもの吸入で楽にならない。熱が続く。前より息切れが強い。
そうしたときは、一度ご相談ください。


■ ときに、肺炎以外の病気が隠れていることがあります

咳が続く背景に、別の病気が見つかることもあります。

ガイドラインによれば、肺がんの患者さんの60〜90%に咳の症状があるとされています。
そのため咳が長引く場合には、
肺がんの可能性も念頭に置いた胸部レントゲンやCTの実施が勧められています。
(同ガイドライン 第4章)

不安をあおるつもりはありません。
調べれば分かることが多い、とお伝えしたいだけです。


■ こんな症状はありませんか?

  • 熱が4日以上続いている
  • 下がった熱が、また上がってきた
  • 少し動くだけで息が切れる
  • 熱が下がったのに、乾いた咳だけが続いている
  • いつもの吸入で、発作が治まらない
  • かぜのあと、だるさが抜けない

いくつか当てはまる方は、一度ご相談いただくことをおすすめします。


■ すぐに受診していただきたい症状

次の症状があるときは、早めの受診をご検討ください。

・血のまじった痰が出る
・じっとしていても息が苦しい
・息が浅く、速くなっている
・唇や指先の色が悪い
・体重が思わぬペースで減ってきた
・肺炎を繰り返している

ガイドラインでも、こうした症状は見逃してはいけないサインとして挙げられています。
(同ガイドライン 巻頭フローチャート)


■ 当院でできること

当院では、問診と診察に加えて、次の検査をご用意しています。

胸のレントゲン(AIによる読影支援を併用しています)、
被ばく量を抑えた低線量CT、
その日のうちに結果が出るCRP(炎症の数値)、
息を吐く力を調べる呼吸機能検査。

呼吸器内科と呼吸器外科の専門医が在籍しています。
必要に応じて、連携する医療機関へのご紹介も行います。

「ただのかぜかもしれないのに」と遠慮なさらず、お気軽にご相談ください。


■ まとめ

いま、呼吸器の感染症が増えています。かぜだと思って受診された方に、肺炎が見つかることがあります。

症状だけで見分けることはできず、診察やレントゲンでも分からないことがあります。

熱が長引く、息が切れる、いつもの発作と様子が違う。そうしたときは、早めにご相談ください。


■ 今回の記事の根拠

  • 福岡県「福岡県感染症発生動向調査感染症週報」令和8年第38週(令和8年9月14日〜9月20日/令和8年9月28日公表)
  • 日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2025作成委員会(編)『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版2025』メディカルレビュー社、2025年
    (急性咳嗽と胸部HRCT:第2章/見逃してはいけない症状:巻頭フローチャート/胸部悪性腫瘍:第4章G)
  • 厚生労働省「マイコプラズマ肺炎」
  • 国立健康危機管理研究機構「マイコプラズマ肺炎」

診察のご予約はこちらから🌿
https://patient.digikar-smart.jp/institutions/626d04ef-a5e9-49cf-bb68-8a2644ee4661/reserve

下記のQRコードよりアプリのダウンロードも大変便利です。

以上、【かぜのつもりが肺炎 ― 診察とレントゲンだけでは分からないことがあります】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

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