日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。
「階段や坂道で、すぐに息が切れるようになりました」
「朝になると、痰がからんだ咳が出ます」
「年のせいだと思って、そのままにしていました」
こんな経験はありませんか。
息切れや咳・痰が続いていても、「年のせい」「たばこのせい」と考えて、受診を後回しにしている方は少なくありません。
その症状は、COPD(シーオーピーディー:慢性閉塞性肺疾患)という肺の病気のサインかもしれません。
11月18日は「世界COPDデー」です。今回は、COPDのサインや検査、治療、ご自分でできる対策をお伝えします。

COPDは、気づかれにくい肺の病気です
COPDは、たばこの煙などの有害物質を長い年月吸い込むことで、肺が傷つく病気です。
空気の通り道(気管支)が狭くなったり、酸素を取り込む肺胞(はいほう)が壊れたりして、息を吐き出しにくくなります。
日本では、40歳以上の約12人に1人、推定530万人以上がCOPDと考えられています。
一方で、医療機関を受診している方は約38万人にとどまります。
多くの方が、気づかないまま過ごしている可能性があります。
2024年には、COPDで1万6千人以上の方が亡くなっています。
関連記事:その咳、いつまで様子を見ていい?〜長引く咳の原因と受診の目安
いちばんの原因は、たばこの煙です
COPDの最大の原因は喫煙です。喫煙者のおよそ15〜20%が発症するとされています。
受動喫煙や大気汚染、仕事で吸い込む粉じんなどが関係することもあります。
今はたばこをやめている方も、以前の喫煙が影響していることがあります。
加熱式タバコや電子タバコも、紙巻きたばこより健康へのリスクが低いという証拠はありません。
日本呼吸器学会は、どのような目的でも使用を勧めないという見解を示しています。
「年のせい」と思いやすい、COPDのサイン
COPDのおもな症状は、坂道や階段での息切れ、長く続く咳、痰です。
かぜが長引いたり、何度もくり返したりすることもあります。
特に40歳以上で、たばこを吸っている方や以前吸っていた方は、注意が必要です。
症状はゆっくり進むため、知らないうちに体を動かさなくなり、気づくのが遅れがちです。
動かないことで体力が落ち、さらに息が切れやすくなるという悪循環に陥ることもあります。
COPDは、呼吸機能検査でわかります
COPDの診断には、呼吸機能検査(スパイロメトリー)が欠かせません。
思い切り息を吸い込んでから一気に吐き出し、吐く息の量や勢いを調べる検査です。
喘息(ぜんそく)など、似た症状の病気との区別にも役立ちます。
胸部CT検査では、肺胞が壊れた「肺気腫(はいきしゅ)」の変化が見つかることがあります。
COPDは、心臓の病気や骨粗しょう症など、全身の病気を伴いやすいことも知られています。
関連記事:胸部CTでわかる冠動脈石灰化とは|当院が評価を大切にする理由
治療の基本は、禁煙と吸入薬です
COPDで一度傷ついた肺は、元に戻りにくいとされています。早く見つけて、進行をゆるやかにすることが大切です。
治療の基本は禁煙です。
軽症〜中等症のCOPDの方が禁煙を続けると、肺の働きが落ちるスピードが半分ほどになるという報告があります。
薬の治療は、気管支を広げる吸入薬が中心です。吸入薬は、正しく吸えているかどうかで、効き目に差が出ることがあります。
呼吸の方法や運動を練習する、呼吸リハビリテーションも治療の一つです。
COPDを悪化させないために
かぜやインフルエンザなどをきっかけに、息切れや咳・痰が急に悪くなることを「増悪(ぞうあく)」といいます。
入院が必要になることもあるため、毎日の過ごし方で予防することが大切です。
・たばこをやめ、受動喫煙も避ける
・インフルエンザ、肺炎球菌、新型コロナ、RSウイルスなどの予防接種を検討する
・手洗い・うがいを習慣にする
・ウォーキングなど、無理のない範囲で体を動かす
・バランスのよい食事で、体重を保つ
関連記事:インフルエンザワクチン、今年はどう考える? ― 大人・子ども・高齢者と次世代ワクチン
関連記事:かぜのつもりが肺炎 ― 診察とレントゲンだけでは分からないことがあります
「いつもの息切れ」と思い込まないでほしい症状
次のような症状は、COPDの増悪や、別の病気が原因となっている可能性があります。
- 息切れが、いつもより急に強くなった
- 痰の量が増えた、黄色や緑色に変わった
- 熱が出ている、胸が痛む
- 安静にしていても息が苦しい
- 唇や指先が紫色になっている
当てはまる場合は、我慢せず早めの受診をご検討ください。強い息苦しさで話すのもつらいときや、意識がぼんやりしているときは、救急要請を含めた緊急の対応が必要です。
こんな症状はありませんか?
COPDのセルフチェックです。当てはまるものを数えてみてください。
- 40歳以上で、たばこを吸っている(または以前吸っていた)
- 階段や坂道で、同年代の人より息が切れやすい
- 咳や痰が、ほぼ毎日のように続いている
- かぜをひくと、咳や痰がなかなか治らない
- 息切れのせいで、歩くのがゆっくりになった
- 家族や職場で、たばこの煙を長く吸ってきた
当てはまるものが多い場合は、COPDの可能性があります。
ただし、これはあくまで目安です。COPDかどうかは、呼吸機能検査の結果とあわせて医師が判断します。
当院でできること
当院では、呼吸器を専門とする医師が、症状や喫煙歴を丁寧にうかがって診察します。
院内で呼吸機能検査を行い、COPDかどうか、どのくらい進んでいるかを調べます。
低線量CTやAIによる胸部X線の読影支援を用いて、ほかの肺の病気がないかも確かめます。
また、当院の胸部CTでは、専用の解析ソフトで肺気腫の程度を数値で評価できます。

治療では、吸入薬の使い方も一緒に確認します。
インフルエンザ、肺炎球菌、新型コロナ、RSウイルス、帯状疱疹の予防接種にも対応しています。
禁煙外来も行っています。(製剤の供給不足により、連携施設へ紹介する場合があります。)
まとめ
・COPDは、たばこの煙などで肺が傷つき、息を吐き出しにくくなる病気です
・坂道や階段での息切れ、長引く咳や痰は、「年のせい」ではないことがあります
・禁煙と早めの検査・治療で、進行をゆるやかにすることが期待できます
「いつものこと」と思わずに、一度ご相談ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の診断や治療方針を示すものではありません。内容は掲載時点の情報にもとづいています。症状のあらわれ方や、検査・治療の必要性は患者さんごとに異なります。記載した検査や治療、予防接種を受けるには医師の診察が必要で、費用は診療内容やワクチンの種類によって異なります。ご不明な点は当院(電話 092-791-3985)までお問い合わせください。
今回の記事の根拠
・日本呼吸器学会「呼吸器の病気 B-01 慢性閉塞性肺疾患(COPD)」
・厚生労働省「令和6年(2024)人口動態統計(確定数)」第9表
・日本呼吸器学会「非燃焼・加熱式タバコや電子タバコに対する日本呼吸器学会見解(改訂版)」(2019年)
・IARC Handbooks of Cancer Prevention Vol.11「Reversal of Risk After Quitting Smoking」(2007年)
・GOLD(Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease)「World COPD Day 2026」
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以上、【その息切れ、肺からのサインかもしれません ― 40歳からのCOPDセルフチェック】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。
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