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健康コラム

目の奥の激痛が毎日のように続く ― 群発頭痛かもしれません

日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。

「夜中になると、片方の目の奥がえぐられるように痛みます」

「痛い間はじっとしていられず、部屋の中を歩き回ってしまいます」

「痛む側の目から涙が出て、鼻水も止まりません」

こんな経験はありませんか。
片方の目の奥に激しい痛みが、毎日のように同じ時間帯にやってくる。それは、群発頭痛(ぐんぱつずつう)かもしれません。
今回は、群発頭痛の特徴と治療、そして似た痛みが出る帯状疱疹(たいじょうほうしん)との見分け方をお伝えします。

目の奥の激痛が毎日のように続く ― 群発頭痛かもしれません 記事のポイント図解

群発頭痛とは? ― 目の奥の激痛が「群れて」やってくる頭痛

群発頭痛は、片側の目の奥やこめかみに、がまんできないほどの激しい痛みが起こる頭痛です。
痛みは、治療をしなければ15分〜3時間ほど続き、1日おきから1日8回ほどの頻度でくり返します。(国際頭痛分類 第3版)
痛む側の目の充血や涙、鼻水・鼻づまり、まぶたの腫れなどを伴うのが特徴です。

発作が数週間〜数か月のあいだ集中して起こる時期を「群発期」と呼びます。
そのあと、数か月〜数年は発作のない時期が続くことが多いです。
20〜40歳代で始まることが多く、男性は女性の3〜7倍多いと報告されています。(頭痛の診療ガイドライン2021)

はっきりした原因は、まだわかっていません。
発作が決まった時刻に起こりやすいことから、体内時計にかかわる脳の「視床下部(ししょうかぶ)」の関与が考えられています。


片頭痛とは、痛いときの過ごし方が違います

片頭痛は、体を動かすと痛みが強くなるため、暗く静かな部屋で横になりたくなります。
群発頭痛では反対に、じっとしていられず、歩き回ってしまう方が多くみられます。
また、群発頭痛は夜間や睡眠中に起こりやすく、痛みで目が覚めることもあります。

関連記事:市販薬が効かない頭痛、その正体は? ― 片頭痛セルフチェック


発作をしずめる治療があります

群発頭痛の痛みは、数分で強くなります。
そのため、飲み薬の痛み止めでは、効きはじめが間に合わないことがあります。
発作のときは、高い濃度の酸素をマスクで吸う治療や、スマトリプタンの注射が勧められています。(頭痛の診療ガイドライン2021)

2018年度からは、自宅で酸素を吸う「在宅酸素療法」に保険が使えるようになりました。
群発期のあいだに、1日平均1回以上の発作がある方などが対象です。
群発期のあいだは、発作を起こりにくくする薬を使うこともあります。

関連記事:トリプタンの基本|5種類ある片頭痛の治療薬、その使い分け


帯状疱疹が「群発頭痛のような痛み」で始まることがあります

帯状疱疹は、子どものころにかかった水ぼうそうのウイルスが神経にひそみ、再び活動して起こる病気です。
顔では、目に向かう三叉神経(さんさしんけい)の枝に沿って、額やまぶた、鼻の先に発疹が出ることがあります。
これを眼部帯状疱疹(がんぶたいじょうほうしん)といいます。

多くの方で、発疹の2〜3日前から痛みやピリピリ感が始まります。(MSDマニュアル)
まれに、発疹が出ないまま痛みが起こることもあります。(国際頭痛分類 第3版)
そのため、発疹が出る前の目の奥の痛みが、群発頭痛と間違われることがあります。

2024年には、群発頭痛と診断された日本の61歳の男性が、のちに眼部帯状疱疹とわかった例が報告されました。
酸素吸入や注射で痛みが一時的に軽くなったことも、気づくのが遅れた一因とされています。(Sugawara、Cureus、2024年)
報告した医師は、高齢の方や、痛みに波がなく続く場合には、帯状疱疹との見分けが大切だと述べています。

関連記事:【発疹が出ない帯状疱疹】突然の頭痛・胸痛と無疱疹性帯状疱疹


帯状疱疹が、群発頭痛の原因になるの?

帯状疱疹のウイルスが群発頭痛の原因になることを示す、はっきりした研究結果は今のところありません。
群発頭痛は、ほかの病気が原因ではない「一次性頭痛」に分類されます。(国際頭痛分類 第3版)

ただし、ほかの病気が原因で「群発頭痛に似た頭痛」が起こることはあります。
148例をまとめた論文では、感染症や炎症によるものが20例(13.5%)あり、眼部帯状疱疹の例もありました。(Mainardiほか、Cephalalgia、2010年)
2025年にも、帯状疱疹のウイルスが再び活動して、群発頭痛に似た頭痛が起きた例が報告されています。(Tsaiほか、Front Ophthalmol、2025年)

眼部帯状疱疹では、目の合併症や、目を動かす神経のまひが起こることもあります。(国際頭痛分類 第3版)
群発頭痛が疑われた65歳の男性で、のちに発疹が出て、物が二重に見えるなどの症状を伴った例もあります。(Awatramaniほか、Cureus、2025年)
同じ三叉神経がかかわるため症状が重なりやすく、早めに見分けることが大切です。

関連記事:それって帯状疱疹関連頭痛かも、、??


群発期をのりきるために(セルフケア5項目)

1. 群発期のあいだは、お酒を控えましょう。
この時期は、飲酒が発作のきっかけになることがあります。

2. たばこを吸う方は、禁煙を考えましょう。
群発頭痛の方には、たばこを多く吸う方が多いと報告されています。

3. 発作の時刻・長さ・症状を記録しましょう。
診断の手がかりになります。

4. 群発期が始まったら、早めに受診しましょう。
すぐ使える治療を準備できます。

5. 痛む側の皮膚の変化に気をつけましょう。
ピリピリ感や発疹が出たら、帯状疱疹の可能性があります。


「群発頭痛だろう」と思い込まないでほしい症状

次のような場合は、ほかの病気が隠れていることがあります。早めにご相談ください。

  • 50歳を過ぎてから、初めてこのような頭痛が出た
  • 痛みに波がなく、ずっと続いている
  • 額やまぶた、鼻の先に、ピリピリ感や発疹がある
  • 目がかすむ、まぶしい、見えにくい
  • 物が二重に見える、まぶたが下がったままになる
  • 熱がある、首を前に曲げにくい

突然の激しい頭痛や、手足のしびれ・ろれつが回らないなどがあるときは、ためらわず救急車を呼んでください。


こんな症状はありませんか?

  • 片方の目の奥やこめかみが、激しく痛む
  • 痛みは15分〜3時間ほどで、毎日のように起こる
  • 痛む側の目が赤くなる、涙や鼻水が出る
  • 痛いときに、じっとしていられない
  • 夜中に、痛みで目が覚めることがある
  • お酒を飲むと、痛みが出やすい時期がある

当院でできること

・問診で、痛む場所や長さ、時間帯、伴う症状をうかがい、頭痛のタイプを見分けます
・激しい頭痛では、くも膜下出血などの鑑別が必ず必要です。頭部CTを院内で行い、当日の緊急撮影にも対応しています
・発作のときの酸素吸入とスマトリプタンの注射を院内で行い、自己注射の処方もしています
・在宅酸素療法の導入に対応しています(使い方や、火気への注意もご説明します)
・群発期の発作を起こりにくくする治療も、ご相談いただけます

・帯状疱疹が疑われるときは血液の抗体検査を行い、結果を待つ間に抗ウイルス薬を始めることがあります
・頭部MRIや目の詳しい検査は、連携する医療機関をご紹介します(頭痛は陣の内脳神経外科と連携)
・帯状疱疹ワクチンの接種(帯状疱疹そのものの予防)を行っています
・禁煙外来を行っています(製剤の供給不足により、連携施設へ紹介する場合があります。)

診療案内:頭痛


まとめ

片方の目の奥の激しい痛みが毎日のように続くときは、群発頭痛かもしれません。
発作をしずめる治療があります。市販薬でがまんせず、ご相談ください。
帯状疱疹でも似た痛みが出ることがあります。発疹や、波のない痛みには注意しましょう。

本記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個々の診断や治療方針を示すものではありません。内容は掲載時点の情報にもとづいています。症状のあらわれ方や、検査・治療の必要性は患者さんごとに異なります。記載した検査や薬剤の使用には医師の診察が必要で、費用は診療内容によって異なります。ご不明な点は当院(電話 092-791-3985)までお問い合わせください。


今回の記事の根拠

・日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会 訳『国際頭痛分類 第3版』医学書院、2018年(3.1 群発頭痛、13.1.2.1 帯状疱疹による有痛性三叉神経ニューロパチー)
・日本神経学会・日本頭痛学会・日本神経治療学会 監修『頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院、2021年(CQ I-2、CQ IV-3、CQ IV-6、CQ IV-7、CQ IV-8)
・MSDマニュアル 家庭版「帯状疱疹」、プロフェッショナル版「群発頭痛」「眼部帯状疱疹」
・Sugawara H. Herpes Zoster Ophthalmicus Initially Diagnosed As Cluster Headache, Complicated by Delayed Eruption. Cureus. 2024;16(3):e56698.(https://doi.org/10.7759/cureus.56698)
・Awatramani G, et al. A Rare and Complex Diagnostic Challenge: Herpes Zoster Ophthalmicus With Secondary Orbital Apex Syndrome in a 65-Year-Old Male. Cureus. 2025;17(4):e82219.(https://doi.org/10.7759/cureus.82219)
・Mainardi F, et al. Cluster-like headache. A comprehensive reappraisal. Cephalalgia. 2010;30(4):399-412.
・Tsai PY, et al. From paroxysmal hemicrania to SUNCT: a unique presentation of herpetic zoster ophthalmicus: a case report. Front Ophthalmol. 2025;5.(https://doi.org/10.3389/fopht.2025.1628665)


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以上、【目の奥の激痛が毎日のように続く ― 群発頭痛かもしれません】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

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