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福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。
― 秋から冬にかけて増える“咳風邪”の正体と、早めに受診すべきサイン ―
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◆ はじめに:季節の変わり目に増える「長引く咳」
秋が深まり、朝晩の気温差や乾燥が気になる季節になると、「咳がなかなか止まらない」「風邪だと思っていたのに2週間以上続いている」というご相談が多くなります。
特に近年は、新型コロナウイルスやRSウイルス、マイコプラズマ肺炎など、複数の呼吸器感染症が同時に流行する傾向があり、「咳だけが長引く風邪」が増えています。
こうした中で注意したいのが、マイコプラズマ肺炎です。
子どもだけでなく大人にも感染し、軽症のまま長引くことも多いため、「ただの風邪」と見過ごされるケースも少なくありません。
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◆ マイコプラズマ肺炎とは?
マイコプラズマ肺炎は、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae) という微生物によって起こる感染症です。
ウイルスよりも大きく、細菌よりも小さい“中間的な微生物”で、通常の細菌とは異なり細胞壁を持たないのが特徴です。
このため、通常の抗生物質(ペニシリン系・セフェム系)では効果が出にくく、マクロライド系やテトラサイクリン系など、特定の抗菌薬が必要になります。
適切な治療が遅れると、咳が何週間も続いたり、肺炎に進行したりすることがあります。
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◆ 流行の時期と傾向(2025年秋の状況)
マイコプラズマ肺炎は例年、初秋(9〜10月)から冬(12月頃)にかけて増加します。
特に今年(2025年)は、全国的に子どもを中心に報告数が上昇傾向にあり、厚生労働省の感染症発生動向調査でも例年を上回る動きが見られます。
これは、
• コロナ禍で一時的に抑えられていた感染症が再拡大していること
• 学校・園・職場でのマスク着用緩和による接触機会の増加
• 乾燥や寒暖差による気道防御機能の低下
などが要因と考えられています。
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◆ 症状の特徴:「風邪と似ているのに、咳がしつこい」
マイコプラズマ肺炎の最大の特徴は、しつこい乾いた咳(空咳)です。
発熱は軽度〜中等度で、咽頭痛や倦怠感を伴うこともありますが、強い高熱や激しい痰が出ることは少なく、“軽い風邪が長引く”ように見えるため注意が必要です。
主な症状
• 乾いた咳が2週間以上続く(夜間に悪化することも)
• 微熱や37〜38℃台の発熱
• のどの痛み、声のかすれ
• 全身のだるさ、食欲不振
• 胸の痛みや息苦しさ(進行した場合)
特に咳が長引くタイプでは、「咳喘息」「百日咳」「後鼻漏症候群」などとの鑑別が重要です。
胸部レントゲンや血液検査、迅速抗原検査などで診断を行います。
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◆ 大人も注意:家庭・職場での感染拡大
マイコプラズマ肺炎は、子どもだけの病気ではありません。
家庭内で子どもから親へ感染するケースも多く、咳による飛沫感染・接触感染で広がります。
大人が感染すると、子どもよりも症状が重くなりやすく、
• 強い倦怠感
• 咳による肋骨痛
• 声が出にくい
といった症状が出ることもあります。
免疫力が落ちている時期や、喫煙・慢性呼吸器疾患がある方は特に注意が必要です。
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◆ 咳が長引いたときの受診目安
「風邪が治りきらない」と感じたときに、次のようなサインがあれば早めの受診をおすすめします。
🔸受診を検討すべきサイン
• 咳が 2週間以上続いている
• 咳が夜中や朝方に強くなる
• 息を吸うと胸が痛い、苦しい
• 微熱が何日も続いている
• 家族に同じような症状が出ている
• 市販薬を使っても改善しない
咳が長引く背景には、マイコプラズマ以外にも「咳喘息」「アレルギー性鼻炎」「後鼻漏」「GERD(逆流性食道炎)」などさまざまな原因があるため、原因を明確にすることが改善の第一歩です。
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◆ 診断の流れ
当院では、症状や聴診所見に加えて、必要に応じて以下の検査を行います。
1. 胸部レントゲン検査:肺炎像の有無を確認
2. 血液検査:炎症反応(CRP)、白血球数など
3. マイコプラズマ抗原検査/抗体検査
4. 酸素飽和度(SpO₂)測定
検査結果や症状の経過を総合的に判断し、マイコプラズマ肺炎や他の感染症との鑑別を行います。
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◆ 治療法
マイコプラズマ肺炎の治療には、マクロライド系抗菌薬(クラリスロマイシン、アジスロマイシンなど)が主に用いられます。
薬剤耐性菌が疑われる場合は、テトラサイクリン系(ミノマイシン)やニューキノロン系(レボフロキサシンなど)を使用します。
また、咳が強い場合は鎮咳薬や気管支拡張薬を併用し、十分な休養と水分摂取を行います。
軽症であれば外来での内服治療が中心ですが、重症化や合併症(胸水、気管支炎など)を伴う場合は入院治療が必要となることもあります。
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◆ 予防と日常生活の工夫
マイコプラズマ肺炎を防ぐには、“咳エチケット”と“気道の保湿”が大切です。
🔸感染予防のポイント
• マスク着用・咳エチケットの徹底
• 手洗い・うがいの習慣化
• 加湿器の使用で湿度40〜60%を維持
• 規則正しい生活で免疫力を保つ
• 家族に咳がある場合はタオルや食器の共有を避ける
また、喫煙は気道粘膜を傷つけ、感染や慢性咳の原因になります。禁煙支援も呼吸器ケアの一環です。
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◆ 子どもと高齢者に多い合併症
特に注意が必要なのは、小児や高齢者、基礎疾患のある方です。
子どもでは中耳炎・喘息発作の誘発、高齢者では呼吸不全や心疾患悪化のリスクがあります。
また、一部の方では感染後に
• 発疹(発熱とともに出現)
• 関節痛
• 肝機能異常
• 神経症状(脳炎・末梢神経障害)
が起こることもあり、発熱や倦怠感が続くときは早めの受診が安全です。
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◆ 当院での対応
福岡天神頭痛と肺のクリニックでは、
• 呼吸器内科専門医による診察
• 胸部レントゲン・血液検査・迅速抗原検査
• 咳・喘息・肺炎・慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの総合管理
を行っております。
咳が続く方、感染が心配な方はお気軽にご相談ください。
また、同時期に流行しやすい RSウイルス・インフルエンザ・新型コロナ などの検査にも対応しています。
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◆ まとめ
• 秋〜冬にかけては「長引く咳=マイコプラズマ肺炎」のケースが増加
• 風邪と思って放置すると長期化・肺炎化することも
• 大人も子どもも感染し、家庭内感染が起こりやすい
• 咳が2週間以上続く・微熱が続く場合は早めの受診を
• 当院では迅速検査と専門的治療で早期改善を目指します
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🩵当院のメッセージ
「咳が止まらない」「家族にうつっている気がする」「風邪が長引く」
そんなときは、自己判断せずに一度呼吸器専門医にご相談ください。
原因を特定することで、最適な治療と早い回復につながります。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでは、
呼吸器と頭痛、両方の専門的診療を通して、
季節の変わり目でも安心して過ごせる健康サポートを行っています。
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以上、【 のご案内】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。