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麻疹(はしか)が再び流行──症状・合併症・ワクチンで守る最新ガイド

お知らせ

日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。

1. はじめに──麻疹が今、なぜ問題なのか

近年、日本国内で再び「麻疹(はしか)」の流行が報告されています。

麻疹は非常に感染力が強く、合併症も多い感染症であり、かつては日本でも大きな流行を繰り返してきました。

ワクチンの普及により患者数は激減し、2015年には世界保健機関(WHO)から「日本は麻疹の排除状態にある」と認定されました。しかし、海外から持ち込まれた麻疹ウイルスをきっかけに国内で散発的な流行が生じているのが現状です。

2025年現在も、麻疹患者の報告が複数の地域で相次いでおり、免疫を持たない人たちを中心に感染が拡大するリスクが懸念されています。

特にワクチンをまだ接種していない乳幼児や、免疫が不十分な大人にとっては重大な病気となりえます。

2. 麻疹とはどんな病気?

麻疹は「麻疹ウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症です。

ウイルスの特徴

• 麻疹ウイルスは空気感染を起こすため、インフルエンザや新型コロナウイルス以上に感染力が強いとされています。

• 1人の患者から12〜18人に感染が広がると言われています。これは感染症の中でも突出した数字です。

• 飛沫や接触ではなく、空気中を漂う微粒子(飛沫核)によって感染するため、同じ空間にいるだけで感染する危険があります。

感染力の強さ

• 麻疹患者と同じ部屋にいた場合、免疫を持たない人が感染する確率は90%以上とされています。

• つまり「ワクチンを打っていない」「過去にかかったことがない」人は、ほぼ確実に感染してしまうのです。

3. 麻疹の症状の経過

麻疹は典型的な経過をたどるため、症状の流れを知っておくことが大切です。

潜伏期(約10〜12日間)

• 感染から発症までの期間は10日前後

• この間は症状が出ないため、自分が感染していることに気づきません。

前駆期(カタル期:2〜4日間)

• 発熱(38℃前後)

• 咳・鼻水・結膜炎(目の充血や涙、まぶしさ)

• 倦怠感や食欲不振

• 口の中に「コプリック斑」と呼ばれる白い斑点が現れることもあります。

→ 風邪やインフルエンザとよく似た症状のため、この時点で見分けるのは難しいのが特徴です。

発疹期(3〜5日間)

• 39〜40℃の高熱が出ます。

• 顔から始まる赤い発疹が首・体幹・手足へと広がります。

• 発疹は2〜3日かけて全身に拡大し、やがて色素沈着を残して消えていきます。

• この時期が最もつらく、重度の倦怠感や合併症を併発しやすい時期でもあります。

回復期

• 発疹が消え、熱も下がり始めます。

• ただし免疫力はしばらく低下しており、他の感染症にかかりやすい状態が続きます。

4. 麻疹の合併症

麻疹は「ただの発疹の出る風邪」ではありません。

重篤な合併症を起こす可能性があるため、油断は禁物です。

肺炎

• 麻疹の合併症で最も多いのが肺炎です。

• ウイルス性肺炎に加え、二次的な細菌感染による肺炎も起こります。

中耳炎・気管支炎

• 子どもに多くみられます。

• 強い咳や鼻水により耳や呼吸器に炎症が広がります。

急性脳炎

• 発症率は1,000人に1人程度とされていますが、命に関わることがあります。

亜急性硬化性全脳炎(SSPE)

• 麻疹感染後、数年〜十数年経ってから発症することがある難治性の脳炎です。

• 一度かかると治療法はなく、進行性に神経障害が悪化します。

→ こうした合併症の存在が、麻疹を「最も恐れられる小児感染症」のひとつにしている理由です。

5. 麻疹の感染経路と予防策

麻疹は空気感染が主な感染経路です。

感染経路

• 咳やくしゃみによる飛沫

• 空気中に漂う飛沫核(長時間浮遊し、数メートル以上広がる)

• 感染者が部屋から出た後でも、しばらく感染力が残ります。

予防策

最も効果的なのはワクチン接種です。

• マスクや手洗いでは完全には防げません。

• 流行時には、人混みや換気の悪い場所を避けることが大切です。

6. 麻疹ワクチン(MRワクチン)の重要性

麻疹はワクチンで防げる病気です。

ワクチン効果

• 1回の接種で約95%の人が免疫を獲得。

• 2回接種することでほぼ100%に近い予防効果が得られます。

接種スケジュール(日本)

1歳の時に1回目

小学校入学前(5〜6歳)に2回目

大人の追加接種

• 1977年4月以降に生まれた方は、2回接種が完了している可能性が高いですが、世代によっては未接種の方がいます。

• 接種歴が不明な方、抗体があるか不安な方は、抗体検査や追加接種を検討してください。

7. 流行時に注意すべき人

麻疹は特定の人にとって特にリスクが高くなります。

妊婦さん:感染すると流産や早産のリスクが高まります。

乳児:ワクチンを接種できるのは1歳以降のため、免疫が未発達。

基礎疾患のある方:糖尿病・心疾患・呼吸器疾患などを持つ方は重症化しやすい。

8. 海外との関連──なぜ再流行するのか?

日本は麻疹を「排除」できた国のひとつですが、完全に消滅したわけではありません。

理由

1. 海外からの輸入症例

• アジアやアフリカの一部では今も流行が続いています。

• 海外渡航歴のある方を通じて日本に持ち込まれるケースがあります。

2. ワクチン接種率の低下

• 日本全体の接種率は高いものの、一部地域や世代で接種が不十分な場合があります。

• コロナ禍以降、予防接種を控えた家庭もあり、接種漏れが目立っています。

9. 当院からのメッセージ

当院(福岡天神頭痛と肺のクリニック)でも、感染症予防の啓発に力を入れています。

• 麻疹が疑われる症状(高熱・発疹・強い咳など)がある場合、受診前に必ず電話でご相談ください

→ 院内感染を防ぐための大切な取り組みです。

• 当院ではMRワクチンの接種相談を随時受け付けております。

→ 接種歴が不明な方、これから海外に行く予定がある方はぜひご相談ください。

• 麻疹は「正しい知識」と「ワクチン」で防げる病気です。

→ 自分を守ることは、家族や周囲の人を守ることにもつながります。

10. まとめ──「麻疹は防げる病気」です

• 麻疹は感染力が非常に強く、合併症も多い危険な病気です。

• 治療薬はなく、唯一の有効な予防策はワクチン接種です。

• 子どもだけでなく、大人も接種歴を確認し、不足があれば追加接種を検討することが大切です。

• 流行時には早めの対応が重要です。

当院では、ワクチン接種相談・感染症に関するご相談を承っております。

気になる症状がある方やワクチンについてご不安のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。

診察のご予約はこちらから🌿

https://patient.digikar-smart.jp/institutions/626d04ef-a5e9-49cf-bb68-8a2644ee4661/reserve

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以上、【麻疹(はしか)が再び流行──症状・合併症・ワクチンで守る最新ガイド のご案内】でした。

『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。

引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。

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