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福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。
先日、若手芸人の方が脳幹梗塞でお亡くなりになったとの報道があり、大変驚かれた方も多いかと思います。
脳幹は呼吸や心拍、体温調節など生命維持に不可欠な機能を担っており、病変部位によっては多彩な症状を呈します。
今回は「どのような症状があれば疑うべきか」、「診断～治療の流れ」、「当院での対応」の３点についてご案内いたします。
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【はじめに】
脳幹梗塞は、全虚血性脳卒中の約10〜15％を占めると推定されており、生命維持に重要な脳幹部位を侵すため、症状が多彩で迅速な対応が求められます 。脳幹は呼吸や心拍、体温調節など多くの生命維持機能を担い、病変部位に応じてめまい、複視、構音障害、交差徴候など多岐にわたる症状を呈します 。診断にはまず非造影CTで出血性病変を除外し、その後MRI拡散強調画像（DWI）が83〜98％の高感度・高特異度で早期病変を検出します 。治療は発症4.5時間以内のrt‐PA（アルテプラーゼ）投与と、重症例では機械的血栓回収術（MT）が標準治療となっており、集中治療室での全身管理と早期リハビリテーションが機能予後の改善に寄与します 。さらに、抗血小板薬・抗凝固薬・スタチン投与や生活習慣の改善を含めた二次予防が欠かせません 。
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【疑うべき症状】
• めまい・平衡障害：特に突然の回転性めまいと著明なバランス喪失が特徴的です 。
• 複視（二重視）：病変部位による外眼筋麻痺や眼球運動障害で生じます 。
• 構音障害・嚥下障害：延髄部位の障害で発声や嚥下機能が障害されます 。
• 四肢の片側性麻痺・感覚障害：錐体路障害により手足の運動・感覚異常が現れます 。
• 交差徴候：同側脳神経障害と対側錐体路障害を呈し、脳幹梗塞の特徴的所見です 。
• 意識障害：意識レベルの低下や混迷がみられることがあります 。
• 頭痛・嘔気・嘔吐：くも膜下出血に似た頭痛を伴う場合もあります 。
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【疫学】
• 世界的な発症率
米国では年間約79.5万例の脳卒中が発生し、そのうち脳幹梗塞は約10〜15％を占めると推定されています 。
• 日本における動向
日本では超高齢社会の進展に伴い、全脳卒中患者数は横ばいあるいは減少傾向にあるものの、動脈硬化性脳梗塞や心原性脳塞栓症の割合が増加しています 。
また、脳血管疾患の総患者数は約147万人と推定されており、その予防・管理・早期治療が重要視されています 。
• 主なリスク因子
高血圧、糖尿病、高コレステロール血症、心房細動、喫煙などが知られ、これらの管理が発症予防に必須です 。
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【診断方法】
1. 非造影CT検査
発症早期に行い、出血性病変を迅速に除外しますが、脳幹部病変の検出感度は16％程度と低い点に留意が必要です 。
2. MRI拡散強調画像（DWI）
感度83〜98％、特異度約98％と非常に高く、thin-slice coronal DWIでは早期小病変の検出性がさらに向上します 。
3. 血管画像検査（MRA/CTA/DSA）
閉塞血管の部位や範囲を同定し、血管開存治療の適応を判断します 。
4. 心原性塞栓源検索
心電図、心エコー、頸動脈エコーなどで心房細動や心臓内血栓などを評価します 。
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【治療方法】
1. rt-PA（アルテプラーゼ）療法
発症4.5時間以内の静注がガイドラインで推奨され、日本では0.6 mg/kgで保険適用されています 。
2. 機械的血栓回収術（MT：Mechanical Thrombectomy）
NIHSSスコアが高く、大血管閉塞例では発症後6時間以内を中心に実施し、rt-PA併用症例でも同日に適応拡大が報告されています 。
3. 集中治療室管理
気道確保、血圧・血糖・体温管理など全身状態の最適化と、合併症予防が不可欠です 。
4. 早期リハビリテーション
発症後可能な限り速やかにリハビリを開始し、機能回復を図ります 。
5. 二次予防
• 抗血小板療法：アスピリン、チクロピジン、シロスタゾールなどが選択肢です 。
• 抗凝固療法：心原性塞栓症例ではワルファリンやDOACが適応されます 。
• スタチン療法：脂質異常症の管理により再発リスクを低減します 。
• 生活習慣の改善：禁煙、適正体重維持、塩分制限、運動などが基本です 。
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参考文献
1. Healthline. What You Should Know About Brain Stem Strokes.
2. International Journal of Academic Medicine and Pharmacy. BRAINSTEM INFARCTS: IMAGING FEATURES AND …
3. Radiopaedia.org. Brainstem stroke syndromes.
4. ScienceDirect. Diagnostic benefit of high b-value computed diffusion …
5. MEDLEYニュース. 脳梗塞の発症後4.5時間以内のrt-PA治療の効果.
6. BMJ Journal of NeuroInterventional Surgery. Mechanical thrombectomy
7. BMC Medicine. Comparison of statins for secondary prevention …
8. BMC Neurology. Antiplatelet drugs for secondary prevention …
9. Lancet Neurology. Global, regional, and national burden of stroke …
10. Eyewiki.org. Ophthalmologic Manifestations of Brainstem Stroke Syndromes
11. Medical News Today. Brain stem stroke: Symptoms, recovery, and outlook …
12. 日本脳卒中データバンク. 日本脳卒中データバンク報告書2021年
13. 日本生活習慣病予防協会. 脳梗塞 | 生活習慣病の調査・統計
14. American Stroke Association. Brain Stem Stroke.
15. Stroke.org AIS Toolkit. Alteplase and Endovascular Therapy.
当院でのご対応
• 迅速なCT検査体制
Canon製16列CTを完備し、来院後すぐに撮影・鑑別が可能です。
• 地域連携ネットワーク
MRIや高度治療が必要な場合は、連携先の総合病院へ迅速にご紹介いたします。
• 緊急患者様の受け入れ
予約枠が満席でも、緊急の場合には柔軟に対応いたします。
• 二次予防サポート
投薬管理だけでなく、生活習慣の見直し指導や禁煙サポートも行っています。
ご心配な症状がありましたら、どうぞ遠慮なく当院までご相談ください。
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この度の訃報を受け、改めまして故人のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
ご不明点、ご予約はこちらから🌿
https://patient.digikar-smart.jp/institutions/626d04ef-a5e9-49cf-bb68-8a2644ee4661/reserve
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以上、【脳幹梗塞について のご案内】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。
