日頃より当院をご利用いただき、誠にありがとうございます。
福岡天神頭痛と肺のクリニックでございます。
当院には日頃から、
「これまで肩こり(首こり)や目・めまい・お腹の薬で治療してきたけれど、良くならなかった」
「“頭痛”だと思っていなかったので、片頭痛の治療は受けたことがなかった」
という患者様が多く受診されます。
実際、頭痛専門外来(頭痛クリニック)を受診する患者さんでは片頭痛が最も多いことが日本の多施設研究でも示されています(頭痛外来受診者の約8割が片頭痛)。 (サイエンスダイレクト)
片頭痛は「ズキズキする頭痛」だけではなく、首・肩のこり、目の症状、めまい、消化器症状、しびれや麻痺など、意外な形で現れることがあります(ICHD-3)。 (ICHD-3)
ここでは、当院で特に多い「実は片頭痛のことが多い“意外な症状”」をトップ5としてまとめます。
※以下は一般的な医学情報です。症状の組み合わせや経過で判断が変わるため、最終的な診断は医師が行います。
1位:肩こり(首こり)だと思っていた
「私は肩こりだと思います」「首がつらいだけで、頭痛じゃないんです」
— これは当院でも最もよくある訴えです。
片頭痛は、発作の前(前駆期)や発作中に首のこり・首の痛み(neck stiffness / neck pain)が出ることがあり、ICHD-3でも前駆症状として挙げられています。 (ICHD-3)
また「首の痛みが主役で、片頭痛と気づかれにくい」ことがある、という指摘もあります。 (SAGE Journals)
ご自身で見分けるヒント(※“目安”)
片頭痛と緊張型頭痛は、診断基準上の違いがいくつかあります。
- 動くと悪化(または動きたくなくなる) → 片頭痛の特徴
片頭痛は「日常動作で増悪、または日常動作を避ける」が診断要素の一つです。 (ICHD-3) - 動いても悪化しにくい → 緊張型頭痛の特徴
緊張型頭痛は「日常動作で増悪しない」が診断要素として示されています。 (ICHD-3)
つまり、同じ“ぎゅーっとした痛み”でも、
「体を動かしたくない(暗い所でじっとしたい)」なら片頭痛寄り、
「肩回し・入浴・軽い運動で楽になることが多い」なら緊張型頭痛寄り、
という整理ができます。
「押すと痛い(耳の下・こめかみ周辺など)」はどう?
片頭痛では皮膚や筋肉が過敏になるアロディニア(触ると痛い)が比較的よく見られます(報告では一定割合で合併)。 (サイエンスダイレクト)
ただし「押して痛い=片頭痛」と断定できる所見ではありません(緊張型頭痛でも圧痛が出ます)。あくまで参考サインです。
片頭痛+緊張型頭痛の“合併”もあります
片頭痛の方が、緊張型頭痛の特徴も併せ持つことがあり、研究でも片頭痛患者の約2割に緊張型頭痛が併存していた、という報告があります。 ([ecommons.aku.edu][7])
当院では、症状経過に応じて両方を想定し、必要に応じて画像検査などで二次性頭痛(別の病気)も含め評価しながら、両方の治療を組み立てます。
2位:目に「キラキラ」「ギザギザ」が見える(閃輝暗点)
「目の症状だから眼科へ行った」
— この流れも非常に多いです。
この“キラキラ”は、片頭痛の前兆(オーラ)であることがあり、ICHD-3では視覚症状などの一過性の神経症状が、徐々に出現し、完全に回復するタイプが定義されています。 (ICHD-3)
また、頭痛を伴わない前兆(サイレント片頭痛)もあり得ます。 (ICHD-3)
眼科領域の病気との区別が大切
一方で、「片目だけの視野障害」「いつもと違う見え方」「突然完成する症状」「長く続く症状」などは、別の原因(血管性、網膜・視神経の問題など)の鑑別が重要になります。繰り返す場合も、まずは医師にご相談ください。
閃輝暗点(前兆)がある片頭痛と脳卒中リスク
片頭痛(特に前兆のある片頭痛)は、研究で虚血性脳卒中リスク上昇との関連が繰り返し報告されています。 (AHA Journals)
ただし、若い方の脳卒中はそもそも頻度が高くないため、過度に不安になりすぎず「リスク因子を重ねない」ことが現実的です(喫煙、脱水、睡眠不足など)。
特に若い女性:低用量ピル(エストロゲン含有)に注意
前兆のある片頭痛の方は、エストロゲンを含む避妊薬(Combined Hormonal Contraceptives)が“高リスク(使用不可に相当)”区分とされる代表的な基準があります。 (疾病予防管理センター)
服用中・検討中の方は、自己判断で中止/継続せず、処方医(産婦人科など)と必ず相談してください。
治療について
片頭痛の予防療法で、発作頻度が減れば「前兆を含む発作全体」が減ることが期待できます(個人差あり)。まずは症状のパターンを確認し、治療方針を一緒に考えます。
3位:めまい
「めまいだから耳鼻科へ行った」
— これもよくあります。
片頭痛に関連するめまいとして、前庭性片頭痛(vestibular migraine)が知られています。ICHD-3付録でも診断枠組みが示され、例えば「中等度~重度の前庭症状(回転性めまい・ふわふわ感など)が5分~72時間持続する発作を5回以上」などの要素が含まれます。 (ICHD-3)
前庭性片頭痛は、発作の一部で
- 片頭痛らしい頭痛(動くと悪化、光や音がつらい、吐き気など)
- 視覚性前兆
などを伴うことがあります。 (memai.jp)
治療の考え方
めまい+頭痛のパターンに応じて、
- 発作を抑える頓服
- 発作回数を減らす予防薬
- 体質や随伴症状に応じた漢方の併用
などを組み合わせることがあります。
※めまいは原因が幅広いため、必要に応じて耳鼻科的評価も並行します。
4位:下痢などの腹部症状(お腹の不調)
片頭痛は「頭の痛み」だけの病気ではなく、発作中に吐き気・嘔吐などの消化器症状を伴うことが診断基準にも含まれています。 (ICHD-3)
さらにICHD-3では、片頭痛と関連し得る反復性の消化器症状(周期性嘔吐や腹部片頭痛など)も整理されています。 (ICHD-3)
また近年、片頭痛では自律神経症状(悪心だけでなく下痢など)が見られ得ることが報告されています。 (Frontiers)
片頭痛と胃腸疾患(IBSなど)の関連を示す報告や総説もあります。 (Headache Journal)
当院の頭痛分野最高顧問の陣の内脳神経外科クリニック 陣内先生からも、また当院でも、
「消化器系の薬で改善しなかった腹部症状が、片頭痛として治療したところ改善した」
という臨床経験を複数例経験しています。
もちろん、腹痛・下痢のすべてが片頭痛ではありません。
ですが「腹部症状が頭痛と同期する」「発作性に繰り返す」「光や音がつらい・吐き気がある・動くと悪化する」などがあると、片頭痛の一部として説明できる場合があります。
5位:麻痺(力が入りにくい)を伴う
あまり知られていませんが、片頭痛の中には、発作時に運動麻痺(motor weakness)を伴うタイプ(片麻痺性片頭痛)があります。ICHD-3でも「運動麻痺を含む前兆を伴う片頭痛」として分類されています。 (ICHD-3)
ただしこれは脳卒中(脳梗塞・脳出血)などと見分けが難しいことがあるため、初回やいつもと違う経過では、まず緊急性の高い病気の除外が最優先になります。 ([神経学・神経外科・精神医学誌][18])
このタイプでは「トリプタン」が禁忌/原則回避
片麻痺性片頭痛では、片頭痛の代表的頓服であるトリプタン製剤は(血管収縮作用などの観点から)禁忌/推奨されないとされ、添付文書でも「片麻痺性片頭痛には使用しない」旨が示されています。 ([DailyMed][19])
発作時の治療選択肢
医師の判断で、病態に応じて例えば
- NSAIDs(消炎鎮痛薬)
- 血管収縮作用を持たない急性期治療薬(例:ラスミジタン) ([Springer][20])
- CGRP受容体拮抗薬(ゲパント)(例:リメゲパント)
└ 75mg単回で急性期に有効、隔日内服で予防にも有効、というエビデンスが報告されています。 ([ニューイングランドジャーナルオブメディスン][21])
などを検討します。
※麻痺を伴う発作は、自己判断で市販薬のみで様子を見るのではなく、まず医療機関での評価が重要です。
「片頭痛だと思っていたら、怖い病気だった」こともあります
当院でも実際に、頭痛で受診された方の中に、脳出血・脳腫瘍など別の原因(=二次性頭痛)が見つかるケースを経験します。
特に次のような場合は、画像検査を含めた評価が強く推奨されます(いわゆる“赤旗”所見:SNNOOP10など)。 ([International Headache Society][22])
- 突然の激しい頭痛(今までで最悪、雷鳴頭痛)
- いつもと違う頭痛、急にパターンが変わった
- どんどん悪化する、頻度や強さが増す
- 発熱、項部硬直、意識障害
- けいれん、麻痺、ろれつが回らない、視野障害など神経症状
- がん治療中、免疫抑制状態、妊娠・産後 など
当院では、頭部CTによる評価が可能です。
(頭部MRIが必要な場合は、医療連携のクリニック・病院へご案内します。)
他に報告されている「片頭痛の随伴症状」一覧
片頭痛では、頭痛以外に次のような症状が出ることがあります(個人差あり)。 (ICHD-3)
- 吐き気、嘔吐、食欲低下
- 光・音・においがつらい(光過敏、音過敏、嗅覚過敏)
- 首こり、首の痛み、肩こり
- だるさ、眠気、あくびが増える、集中できない
- 皮膚が過敏(髪を触る・眼鏡・マスクがつらい等)
- 動悸、冷や汗、顔面蒼白、下痢など自律神経症状
- しびれ、言葉が出にくい、視覚症状など(前兆)
まとめ:その症状、片頭痛として治療できるかもしれません
「肩こり」「目のキラキラ」「めまい」「腹部症状」「麻痺」—
一見、頭痛と結びつきにくい症状でも、片頭痛の一部として説明でき、治療で改善が期待できることがあります。 (サイエンスダイレクト)
一方で、危険な頭痛を見逃さないためには、症状の経過と赤旗所見のチェック、必要時の画像検査が重要です。 ([International Headache Society][22])
ご心配な方は、頭部CTでの評価が可能な「福岡天神頭痛と肺のクリニック」へご相談ください。
(頭部MRIは、医療連携のクリニックや病院へのご案内となります。)
参考文献(主に論文・分類・ガイドライン)
- Imai N, Takizawa T, Watanabe N, Matsumori Y. Clinical characteristics of 2378 patients presenting with headache disorders to headache clinics in Japan: A clinic-based multicenter study. Clinical Neurology and Neurosurgery. 2024;246:108588. doi:10.1016/j.clineuro.2024.108588 (サイエンスダイレクト)
- Headache Classification Committee of the International Headache Society (IHS). The International Classification of Headache Disorders, 3rd edition (ICHD-3). Cephalalgia. 2018;38(1):1–211. ([ICHD-3][23])
- IHS (ICHD-3). 1.1 Migraine without aura(診断基準:日常動作で増悪/回避、悪心・光音過敏など) (ICHD-3)
- IHS (ICHD-3). 2.3 Chronic tension-type headache(診断基準:日常動作で増悪しない等) (ICHD-3)
- IHS (ICHD-3). 1.2.1 Migraine with typical aura / 1.2.1.2 Typical aura without headache(閃輝暗点など前兆の枠組み) (ICHD-3)
- IHS (ICHD-3). 1.2.3 Hemiplegic migraine(麻痺を含む前兆) (ICHD-3)
- IHS (ICHD-3). A1.6.6 Vestibular migraine(前庭性片頭痛) (ICHD-3)
- Rajput HM, Mir ZH, Rashed MF, Almosvi FB, Badshah M. Frequency of Tension-Type Headache in Patients with Migraine: A Single-Center Cross-Sectional Study. Pakistan Journal of Neurological Sciences. 2023;18(1):Article 8.(片頭痛に緊張型頭痛が併存20.4%) ([ecommons.aku.edu][7])
- Olesen J, et al. Migraine with Aura and Ischemic Stroke. Stroke (AHA/ASA).(総説) (AHA Journals)
- Sacco S, et al. Migraine and risk of ischaemic stroke. Journal of Neurology, Neurosurgery & Psychiatry.(総説/レビュー) ([神経学・神経外科・精神医学誌][24])
- Curtis KM, et al. U.S. Medical Eligibility Criteria for Contraceptive Use(サマリーチャート:前兆のある片頭痛とCHC) (疾病予防管理センター)
- MacGregor EA, et al. Hormonal contraceptives and risk of ischemic stroke in women with migraine. The Journal of Headache and Pain.(コンセンサス) ([Springer][25])
- Autonomic symptoms in migraine: Results of a prospective… Frontiers in Neurology. 2022.(片頭痛の自律神経症状:下痢など) (Frontiers)
- Croop R, et al. Rimegepant… for Migraine. New England Journal of Medicine. 2019. doi:10.1056/NEJMoa1811090 ([ニューイングランドジャーナルオブメディスン][21])
- Oral rimegepant for preventive treatment of migraine… The Lancet. 2020/2021.(隔日投与で予防効果) ([ランセット][26])
- Pfizer Japan. 「ナルティークOD錠75mg」発売(適応:急性期治療・発症抑制) 2025-12-16. ([ファイザー][27])
- DailyMed. SUMATRIPTAN(片麻痺性片頭痛では使用しない旨) ([DailyMed][19])
- DailyMed / FDA Label. REYVOW (lasmiditan)(急性期治療、用量など) ([DailyMed][28])
- Dodick DW. SNOOP10関連(赤旗所見の考え方)/AHS・ACRの頭痛画像評価資料 ([International Headache Society][22])
必要なら、この記事を「クリニックのHP用に読みやすい版(文字数・見出し・CTA強め/控えめ)」に整形したバージョンも同内容で作れます。
[7]: https://ecommons.aku.edu/pjns/vol18/iss1/8/ “
\”Frequency of Tension-Type Headache in Patients with Migraine: A Single\” by Haris Majid Rajput, Zahid Hussain Mir et al.
“
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https://patient.digikar-smart.jp/institutions/626d04ef-a5e9-49cf-bb68-8a2644ee4661/reserve

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以上、【「これは意外に片頭痛だった」症状トップ5 のご案内】でした。
『福岡に医療で貢献する』ことを目標に、患者様へより良いサービスを提供できるように日々精進してまいります。
引き続き、福岡天神頭痛と肺のクリニックをどうぞよろしくお願いいたします。